紫外線が髪と肌に与える影響とUVケア商品の選び方

さぁ今年も紫外線の季節がやってきましたね!

4月だからまだ早いって?

そんなこと言ってるとえらいことになってしまいますよ!!

紫外線は年中降り注いでいますが、3月から夏にかけて一気に増えてきますので、春からの対策が大切です!!

 

 

紫外線は肌に良くないとかは何となく分かっているんだけど、日焼け止め塗っとけばどうにかなるでしょ!

と安易な考え方だと、将来後悔するかもですよ!?

何となくでも良いので、紫外線について覚えておくと今後の紫外線対策に対する意識が変わるかも知れません。

 

目次

紫外線とは一体何なんですか!?

 

太陽からの日射は、波長により、赤外線、可視光線および紫外線に分けられます。可視光線よりも波長の短いものが紫外線です。紫外線(UV)の中でも、波長の長いほうからA・B・C と大別されています。フロン等によりオゾン層が破壊されると、地上において生物に有害な紫外線(UV-B)が増加し、生物への悪影響が増大することが懸念されます。

出典:気象庁

 

僕らが光として見ている太陽光線は、虹の7色ですがその端の紫色よりも外側になるので「紫外線」と呼ばれています。

その逆で赤色の外側は、「赤外線」と呼ばれていますね。

 

人間の目では、赤~紫までの色(波長)しか感じ取ることは出来ませんが、実際には「紫外線」と「赤外線」という波長が地球上に降り注いでいます。

 

 

紫外線は電磁波

紫外線は太陽光に含まれている電磁波のうち、波長が190nm~400nmのモノを指します。

地上に到達する電磁波の中では一番波長が短く、高いエネルギーを持っており、肌や細胞に障害を発生させます。

 

 

紫外線は大きく分けて3種類

 

UV-A(サンタン)

波長が長いので、皮膚の深いところまで到達します。

1年を通して肌に影響を及ぼしますが、4月~8月にかけて特に紫外線量が多くなります。

長時間UV-Aを受けると、表皮だけでなく真皮もダメージを受けたんぱく質を変性させる。

肌の弾力を失わせ、シワやたるみの原因となり肌の老化を促進します。

UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる効果があります。

 

UV-B(サンバーン)

地球の大気中のオゾン層によって吸収され、残りが地上に降り注ぎます。

(オゾン層が1%減少すると皮膚ガンの発生率は2%上がるそうです)

4月~8月にかけて特に紫外線量が多くなり、9月以降は大気の影響を受けて紫外線量は少なくなります。

近年オゾン層の破壊が問題になっている中で、以前に比べると紫外線量は増えています。

短時間で日焼け、ただれ、水ぶくれなどの炎症を引き起こし、数日後に色素沈着が起きます。

過剰なメラニン生成により、シミやソバカスの原因となります。

 

UV-C

成層圏オゾン層などに吸収され、ほとんどは地上まで到達しません。

肌への影響は、DNAに損傷を引き起こす可能性があります。

 

 

 

日焼けサロンはどういう仕組み?

紫外線の種類は分かったと思いますが、それでは人工的に肌を焼く日焼けサロンではどういう紫外線が使われているのか気になりますよね。

日焼けサロンは、人工的にUV-BをカットしていてUV-Aのみで肌を黒く日焼けさせます。

海で焼いた時のような、赤く炎症を起こしたりしにくく、キレイに焼きやすいことがあります。

 

UV-Aの影響がどういったものか、前述の内容を見ていただいた通り「シミ」や「たるみ」の原因になり、肌の老化を促進させます。

また、目への影響も大きく「視力障害」「角膜炎」「白内障」などの症状を引き起こす可能性があるので、欧米などでは18歳以下の日焼けサロンの利用を規制している国もあるそうです。

 

 

 

UVケア商品の選び方

 

紫外線防止指数をチェックする

紫外線防止指数とは、UVケアをうたっている商品などに記載されている英数字の事です。

SPF25PA++ のように表示されています。

これらの読み方を知っていれば、自分に合ったUVケア商品を選びやすくなります。

 

SPF

紫外線のUV-Bカット効果を示す指数です。

SPFの数値はUV-Bによって皮膚が日焼けするまでの時間をどれくらい伸ばせるかを表示したものです。

SPFの数値は時間ではなく、日焼けするまでの時間を何倍に伸ばせるかという事を示したものです。

「SPF30」と表示されていた場合は、10分で日焼けする人は30倍の約5時間に、30分で日焼けする人は30倍の約15時間に伸ばせるという事です。

ただ衣類とこすれて薄くなったり、汗で流れてしまう事がほとんどですので、定期的に使いなおすことが大事です。

表示の上限はSPF50でそれ以上は、「SPF50+」と表示するようになっています。

 

PA

紫外線のUV-Aの防止効果を示す数値です。

数値ではなく「+」の数で3段階で表示されます。

・PA+ UV-A防止効果がある

・PA++ UV-A防止効果がかなりある

・PA+++ UV-A防止効果が非常にある

・PA++++ UV-A防止効果が極めて高い

 

UPF

衣類や傘などが紫外線をカットする効果を示した指数です。

数値の読み方はSPFと同じで、実際に日焼けするまでどの程度時間を伸ばしてくれるのかを示したものです。

最近は衣類や日傘などに表記されている場合もありますので、それら商品を購入する場合はチェックするのも良いかと思います。

 

よって一番効果の高いものには、「SPF50+PA++++」という表示になります。

プラスがいくつあるのか良く分からなくなりますね(笑)

 

「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」を見分ける

UVケア商品には、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」を使っているものに分けられます。

それらの違いを知っておくことも、自分に合ったUVケア商品を選びやすくなります。

 

紫外線吸収剤(化学的)

紫外線吸収剤は、科学的な仕組みで紫外線のエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して紫外線から皮膚の細胞を守ります。

成分の種類によって、UV-Aを吸収するものや、UV-Bを吸収するもの、その両方を吸収するものなどがあります。

紫外線防止効果の高いSPF50などの商品には、含まれている場合が多いです。

さらっとしていて白浮きしにくく目立ちにくいのが特徴ですが、化学反応で紫外線を防ぐので皮膚への負担が大きく敏感肌の方などは注意が必要です。

 

紫外線散乱剤(物理的)

紫外線散乱剤は、物理的な仕組みで紫外線を散乱・反射させます。

ファンデーションなどにも使われている、酸化チタンや酸化亜鉛などの散乱剤が肌を覆って紫外線を肌表面で散乱・反射させて物理的に紫外線の影響を防ぎます。

UV-A・UV-B両方を防ぎ、物理的な仕組みなので成分が壊れにくく効果が長持ちします。

ベタベタしていて白浮きしやすいのが特徴ですが、紫外線吸収剤に比べると肌への負担は少ないです。

 

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤のどちらも使用している場合もありますし、片方だけ使用している場合もあります。

紫外線吸収剤が配合されていないものには、「ノンケミカル」と表示されています。

 

肌が敏感な方は、紫外線吸収剤を含まないものを使う方が安心ですが、紫外線散乱剤も刺激が全くない訳ではないので、使ってみて違和感や刺激を感じるようであれば使用するのをやめた方が良いかと思います。

 

 

 

紫外線による髪への影響

先ほどまでは主に肌への紫外線の影響を説明してきましたが、ここからは髪への影響の話です。

 

髪はたんぱく質で出来ているのですが、このたんぱく質を形成しているアミノ酸が紫外線を受ける事によって、酸化し老化していきます。

そうすると、本来髪を形成しているたんぱく質が本来の役目を維持することが出来なくなり、色々なデメリットが髪に現れる事となります。

紫外線の影響によって髪に現れる変化は下記のような症状です。

 

髪が乾燥によってパサパサするようになる

髪のたんぱく質の老化が進むと、本来適度な水分を維持していたたんぱく質が水分を維持できなくなり、乾燥しやすくなり髪の質感が硬くなります。

硬くなった髪は、しなやかさを失いまとまりづらくなり、パサつきを感じるようになります。

 

キューティクルが毛羽立ち髪が引っかかるようになる

これも乾燥が原因で起こる症状です。

髪を守るキューティクルが乾燥によって硬くなり剥がれやくすなり、毛羽立つことによって引っ掛かりやごわつきの症状が現れます。

 

髪の柔軟性が無くなり切れ毛が気になってくる

紫外線の影響によって乾燥により硬くなった髪は、柔軟性を失い切れ毛、断毛しやすくなります。

 

メラニン色素が破壊され髪が明るくなる

紫外線はメラニン色素も破壊するので、徐々に赤茶けたような明るさに髪が変化していきます。

中高生の屋外で部活をやっている方や、日々屋外で仕事をされている方など、紫外線にさらされやすい方は明るくなっているのを見かけますね。

キレイな明るさになってくれるわけでは無く、パサついたように見えやすい色になりやすいです。

 

染料が破壊されカラーの退色が早くなる

紫外線にはカラー剤の染料を破壊する力もあるので、色が早く抜けていき色持ちが悪くなります。

特にアッシュ系やグレージュ系の色みは、紫外線に弱く一気に抜けていく場合もあるので注意が必要です。

 

頭皮の日焼けが薄毛やしわやたるみの原因になる

夏になると頭頂部が小麦色に焼けている方や、皮むけしてしまっている方などをお客様でお見かけします。

頭皮の日焼けは、肌の日焼けと同じく、老化を進め頭皮の弾力が無くなり顔に皮膚が垂れてきて、たるみやしわの原因になる可能性もあります。

頭皮環境の悪化や直接的な紫外線の影響によって、毛根の髪を作る細胞がダメージを受け、生えてくる髪が細く弱弱しくなったり、活動を休止してしまう原因になる可能性もあります。

 

 

 

髪の紫外線対策方法

肌と違って新陳代謝を繰り返さない髪は、一度ダメージを受けるとそのダメージは元に戻ることはありません。

トリートメントなどで補修は出来ますが、元の髪の状態に戻ることは無いのでいずれ時間の経過とともに、補修効果が弱まり髪の状況が悪化します。

髪は肌よりも繊細だと思っていて、極力ダメージを与えない扱い方をするのが大切です。

 

帽子を被ったり、日傘をさす

UVカット率は、帽子の場合は前述したUPF表記であったり、日傘の場合は日本洋傘振興協議会が定める遮光基準を満たした商品などを選ぶのが良いかと思います。

 

UVカット効果のあるアウトバストリートメントやスプレーを使う

アウトバストリートメントなどにUVカット効果の成分が配合されている商品や、体全体に使えるスプレータイプの商品なども最近はよく目にするようになりました。

ムラなく防止することは難しいので、帽子や日傘と併用する方がおススメです。

 

飲むタイプの日焼け止めを使う(頭皮の紫外線対策)

以前の記事でも紹介した飲むタイプの日焼け止めです。

頭皮は日焼け止めを塗ること自体が難しいので、こういった商品も選択の一つには良いかと思います。

 

過去記事:知ってる?飲む紫外線対策・日焼け対策が出来る【ノーブ】【ヘリオケア】とは?

過去記事:夏の頭皮の紫外線対策って必要ですか?【美容師のQ&A】

 

そもそも日差しの強い時間帯には外出を控える

一番紫外線を防げるのはこの方法しかありません。

しかし、そうも言ってられない時の方が多いのですが・・・

 

 

紫外線を浴びる事によるメリット

心配をあおるような事ばかり書いてきましたが、紫外線によるメリットもあります。

 

●ビタミンDを生成する

人体に必要なビタミンの一つ「ビタミンD」は紫外線を浴びる事でしか生成することが出来ません。

紫外線を一切浴びない生活は、体にとって悪影響をもたらす場合もあります。

●殺菌作用がある

有害な細菌を殺菌、不活化する作用があります。

●健康的な見た目

人によっては、程よく焼けた肌の方がヘルシーで健康的に感じる場合もあります。

 

何でもバランスよくという事が大切ですね。

 

 

引用・参考サイト

気象庁 紫外線に関するデータ

紫外線環境保健マニュアル(PDF)

ウィキペディア 紫外線

ボーケン 紫外線遮蔽率

日本洋傘振興協議会 遮光・遮熱マークについて

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