こんにちは!ガッキーです。
この記事を書いているのが春なんですが、この時期は人生初めてのカラーをする方が多くなりますね。
美容師さんに任せていればキレイなカラーにしてもらえますが、それでも知っておいた方が良いカラーの知識があります。
美容師としてお客様の髪のカラーを10年以上してきて、お客様も知ってた方が良いと思う事が沢山あるのでまとめて書いていきます。
「この情報を知っていればそんなカラーはしなかった」「この情報を知っていたらもっとキレイなカラーが出来ていた」、始めてご来店されたお客様とその日するカラーを髪の状態を伺いながら相談している時に思う事が多々あります。
知っておいてほしい情報はその日のうちにお伝えしているのですが、ヒトという生物は忘れていく生き物です。
読み返して思い出してもらえたり、これから初めてカラーをする人の参考になれば幸いです。
(※ちなみにカラーと言ってもアルカリカラーや酸性カラー、塩基性カラーなど薬剤によって色々な種類があるのですが、この記事では圧倒的なシェアを誇るアルカリカラーを使って髪を染めることを前提にしてお伝えしていきます。)
一度カラーをした髪は二度と元の髪の状態には戻らない
よく聞くのが、「カラーをして明るくなった髪を黒染めをすると元の髪に戻る」
黒に戻す事で髪の状態をリセット出来ると思われている方が結構多いです。
これは大きな間違いで、1度でもカラーをすると二度と元の髪には戻りません。
元の髪に戻らないのはカラーの薬剤を1度でも塗布した髪です。
毛根から新しく生えてくる髪は健康な髪ですので、時間をかけて伸ばしていくと元の状態まで戻すことが出来ます。
ですので、一度でもカラーをすると元の髪の状態に戻そうとすると、今の髪の長さの分を伸ばし続けてようやく元の状態に戻せます。
平均で1年間に約12cm伸びるので、今の髪の長さが30cmある方は2年半くらい伸ばして元に戻る計算ですね。
カラー剤の仕事は「メラニン色素」を除去して「染料」を入れる事
初めてカラーをする時、求められているのは地毛の黒髪より明るくする事だと思います。
地毛より暗い髪を求めて染められる方は殆どいらっしゃらないと思います。
明るくするという事は、黒髪の黒を表現している「メラニン色素」という成分を減らしていくという事です。
黒いキャンバスに赤を入れても青を入れても黒が勝ってしまうので、明るくして好みの色にするためには「メラニン色素」が邪魔をしているという事ですね。
ですので「メラニン色素」を除去することが一つの目的になり、「メラニン色素」を沢山除去すればするほど髪は明るくなっていきます。
明るくなった髪に染料が入り、初めて希望の髪色になることが出来ます。
当店では200種類ほどのカラー剤を使用していますが、色の種類ごとそれぞれに目的の明度に合わせてラインアップがあります。
明るくするだけの薬剤でしたら10種類もあれば十分ですが、明るさの明度ごとに色の種類があるので必要なカラー剤の数が増えます。
カラーをした髪は劣化しコンディションが悪くなる
カラーは明るくするパワーが強いほど、薬剤の髪への影響が強くなっていきます。
「メラニン色素」を分解すると同時に、周辺の毛の組織にも負担を与えてしまうのでそれが髪へのダメージとなります。
明るくするパワーが強いほど、髪のコンディションは悪くなりやすく、パサツキやごわつきなどを感じ、乾燥しやすい髪に変化していきます。
ブリーチは髪の健康を失う代わりに、透明感と鮮やかさを手に入れる
カラーの薬剤の中で一番明るくするパワーが強い「ブリーチ剤」
これはには染料が入っておらず、髪のメラニン色素を通常のアルカリカラーよりも強力に分解していきます。
メラニン色素を分解して明るくすればするほど、光りが透けやすくなるので透明感を得れますし、色の表現を邪魔する黒が少なくなるので鮮やかな色を表現しやすくなります。
その代わりに髪への負担はかなりのもので、髪質によっては後々パーマがかけれない髪になったり、色持ちが悪くすぐに金髪になってしまう髪になります。
しかし、ブリーチ後にしか出来ない髪色も多く、インスタやSNSなどでよくあがっている色味がはっきりと表現されていて、透明感が抜群にある髪色などはブリーチを使っている場合が多いですね。
よく聞く「透明感」とは?
「透明感」とは言葉の通り透き通ったような感じや濁りのない明るさの事を言います。
髪で「透明感」を表現するという事は、髪が柔らかく見えたり、軽く見えたり、重たく見せたくない時に求める表現です。
光が透ける必要があるわけなので、髪に透明感を出そうとするとメラニン色素の黒が邪魔になります。
黒は光を吸収して透け感は出にくいですし、一番濁っている状態ですので「透明感」とは遠い状態になります。
どんなに優秀なサロントリートメントでも髪は元の状態に戻らない
これはご家庭でするトリートメントや、サロンでのシステムトリートメントなど、色々なヘアケア方法が効果が無いという事ではありません。
一番ツヤがあってまとまりが良い健康な髪の毛というのは、バージン毛(何も薬剤などで処理されていない髪の毛)なのですが、一度でもカラーやパーマなど薬剤を使って髪に変化を与えると髪の中の構造やたんぱく質自体が変化してしまいます。
薬剤を使わなくても毎日の乾燥や紫外線でのダメージなどで、髪のたんぱく質自体は変化しています。
どんなに良いトリートメントをしようと最新の技術を駆使しようと、元の髪の構造やたんぱく質に戻ることはありません。
トリートメントなどは「人工的に補修をして元の髪の状態に近づけている」と言う表現が正確かも知れません。
歯で例えると、虫歯になった歯は歯医者さんでドリルで削られてプラスティックなどを埋め込んで処置が完了します。
虫歯は治っているけど歯は元の状態に戻っているでしょうか?
髪も似たようなイメージでとらえていただけると良いかと思います。
カラーをした髪を良いコンディションで保つには毎日のヘアケアが大切
カラーなどをして髪に変化を与えた後は、今までと同じヘアケアをしていては少しづつコンディションを悪くしていっている場合が殆どです。
髪のコンディションを良い状態に保つためには、毎日のヘアケアを今よりもしっかりとした方法に変えることが大切です。
カラーをした髪は数週間~数か月で必ず明るくなる
カラーリングは、染め上がりの髪の明るさがずっと続くわけではありません。
前述したようにカラーには「髪を明るくする力」と「髪に色味を付ける作用」があります。
人工的に着色した色は、時間とともに必ず色落ちしてきます。
毎日少しづつ少しづつ色が落ちていき、最終的には髪に人工的に着色した染料が無くなります。
そうすると本来の髪の明るさに戻るため、髪は明るくなってしまいます。
髪質によっては表現するのが難しい髪色もある
カラーの染まり具合は、髪質に大きな影響を受けます。
髪質には個人差があるので、同じカラー剤を別々の人に同じ工程で使ったとしても染め上がりに差が出てきます。
人によっては1回のカラーでは明るくなりづらく2回カラーが必要な場合もありますし、アッシュなどの色が出づらい人もいます。
美容師さんの技術は、そういった髪質の判断を的確にして、数あるカラー剤の特性をよく理解し、相性の良い組み合わせを考え、極力目的の髪色に近づける、そうそう簡単に出来ることではなく、何年もお客様の髪と向き合い毎日少しづつ経験を積んできた価値のあるものです。
美容室でカラーをしてもらうというのは、その美容師さんの技術と知識に価値を感じ料金を支払っているという事です。
(もちろん技術と知識以外の要素にも価値はあります)
明るくする力が強いカラーほど頭皮がしみやすい
明るくするカラー剤ほどメラニン分解パワーが強く、頭皮への刺激も強くなります。
頭皮がしみる人としみない人には、個人差があるのでブリーチでも全くしみない人もいれば、優しいお薬でもとてもしみる人もいます。
頭皮がしみやすい人、もしくは初カラーの時に心配な方は、担当美容師さんに頭皮が心配という気持ちをちゃんと伝え、頭皮保護スプレーなどの対処をお願いしてください。
大体の美容室には、頭皮保護剤などのケアアイテムはあるかと思います。
髪の美しさを大切に考えるならセルフカラーはおススメ出来ない
セルフカラーはやっちゃダメとよく言われると思いますが、カラーは美容師さんにお任せすることをおススメします。
セルフカラーは、どんな髪質の人でも染まるように設定されているので髪へのダメージが強く、自分で慣れないやり方で染めると大概はムラムラになることが多いです。
ダメージは髪の耐久力を削り髪の劣化を促進させ、パサパサでゴワゴワな乾燥しやすい髪質に変わります。
ムラは極端な場合、美容室でも直すことが不可能な場合も多々あります。
カラーを繰り返す期間は人それぞれ
初めてカラーをしたあと、次回のカラーはいつ頃すればよいのか?
髪質やどういった髪色に染めたのか、という事も関係してくるので人によって様々です。
あくまで目安ですが髪の明るさやカラーの種類によって下記の期間が理想的です。
6~8トーン 2ヵ月~2ヵ月半
9~11トーン 1ヵ月半~2ヵ月
12トーン以上 1ヵ月~1ヵ月半
白髪染め 2週間~4週間
全ての方が当てはまる訳ではないですが、おおよそこんな感じですね。
今は情報があふれる時代です。
昔は知りたくても知ることが出来なかった情報も今では簡単に入手することが出来ます。
美容室の場合は、僕らは技術を提供する側でお客様はサービスを受ける側になりますが、こういった情報を知っておくだけでも美容師の説明を理解しやすくなったり、いざというときに間違った判断をせずに済み、大切な髪に無駄なダメージを与えずに済む可能性も出てきます。
この記事の情報も、参考にしていただいてカラーに対する知識を少しだけでも蓄えて頂けたらと思います。