美容師の離職率っていつの時代も取り上げられる問題ですね。U-REALMの離職率は低い方なんですが、その理由は何なのか考えてみました。
記事を書いてみようと考えたきっかけは、U-REALMでアシスタントをしているケントのブログを読んで、改めて「スタッフが辞めていない」という事を再確認したからです。
純粋に3年目の同期が1人も辞めていないのはすごい事ですよね!
ケントは文章書くのにも慣れて来て、自分の言葉でしっかりブログ書いてるんで読んでみて下さい。
U-REALMの離職率と全国平均
●U-REALMの離職率
データは直営店の3店舗(U-REALM・L.O.G・L:der’s)で働く新卒生の数字です。
きちんとしたカタチで新卒採用をやり始めたのは3年前からです。
※2015年5月現在の離職率
1年目 10% (10人→9人)
2年目 20% (5人→4人)
3年目 0% (5人→5人)
4年目 0% (1人→1人)
僕が中途採用で入社したのが3年半前なのですが、入社後3ヵ月でスタイリスト・アシスタント含め4~5人くらい辞めていて、当時はほんとに大丈夫か?と思いました。
その頃から会社の体制が整えられ毎年新卒をとっていくようになり、その頃からスタッフが辞めていくという事はほとんど無くなりました。
CEO高木裕介もその頃から社内の体制であったり、働くスタッフの環境作りに力を注いでました。
●離職率の全国平均
これはしっかりとしたデータが無いか探していましたが、下記のデータがとても参考になりましたので読んでみても参考になるのでは。
明治大学の生徒さんの卒業論文なのですが、とても分りやすくまとめてあり参考になりました。美容師の離職率に係る現状と対策について書かれています。(リンクや紹介に問題があれば削除しますのでご連絡お願い致します。)
※2013年度のデータです。
論文中のデータによる離職率の平均(同期入社者の平均)
1年目 45%
2年目 72%
3年目 88%
(こんなに高いのか!)
3年目で88%はサービス業全体の離職率51%を大幅に上回っていますね。10人入社したら3年後には1人しかお店に残っていないという事。辞めた人は違うお店で就職したり、美容師自体を辞めてしまったりと様々です。
「新卒生が全員辞めてしまった・・・」とかは結構よく聞く話で、僕も過去に思い当たる事もありますし、自分自身が新卒採用で入社した時も自分を含め同期のほとんどが辞めていた記憶があります。
美容師免許を保持している人が日本全国で1200万人もいて、美容師として勤務している人が45万人います。(日本人の10人に1人が美容師免許を持っている!?「そんな国家資格必要か?」と思ってしまいますが。)
論文中の離職理由としてあげられている事
「業務内容の割に給与が低いから」(34%)
「精神的に疲れる仕事だから」(32%)
「1 日に働く時間が長すぎるから」(30%)
うんうん、よく解ります(笑)どこの美容室もそんな感じだとは思います。
もちろん美容師を取り巻く環境が良くなり、美容師としての価値も上がってくればそういった離職理由は少しは改善されるとは思いますがそんなに簡単な事ではない。
フリーランスで美容師をしている人は自分のペースでバランスを取りながら出来ると思うので、こういった理由が出てくるのは会社に雇用されて働く美容師さんたちの問題になってきますね。
全員がフリーで美容師をしていける訳はなく、美容師以外での技術であり知識でありが必要になってくるのは当然の事で「雇用されていた方が楽」といった意見もあります。
逆に美容師を続けられる理由としてあげられている事
「やりがいのある仕事だから」(53%)
「自分には向いている仕事だと感じているから」(44%)
「現在持っている資格を生かしたいから」(30%)
こちらもよく解かりますよね。やっぱり「やりがい」でしょうか。基本的には人をハッピーにする仕事ですから、「人をキレイに可愛くする」事から繋がってくるお客様からの「ありがとう」という感謝の言葉が自分自身の存在意義を肯定されているようで、次に繋がるモチベーションになっているんだと思います。
U-REALMのスタッフが辞めない理由
前述した離職理由というのは、みんな思っていると思います(笑)
アシスタントの時は、お給料はどこもそんなに変わらないでしょうし、先輩やお客様に気を使ってメンタル面も疲れるでしょうし、美容に費やす時間も表参道・青山・原宿界隈の美容室らしく半端ないです。
●やりがいを感じている
アシスタントを見ていて感じる事は、「自分が任せられた仕事にやりがいを感じている」「テストに受かって自分が成長している事を実感している」「技術であったり接客であったりを経験するたびに自信をつけている」事が伝わってきます。大げさに言っているわけでは無く常にモチベーションの高さを感じます。
そして、これが出来るとこういった事が出来るといった「姿」を1つ上の先輩が見せれているんじゃないでしょうか?「自分の近い将来のイメージが湧きやすい」というものやりがいに繋がる大事な要素なんじゃないかと思います。
●CEO高木裕介が背中を見せている(目標が見える)
人によって目標は違いますし、みんなの具体的な目標もそんなに知りません。(そんな話をみんなとするのも大事ですよね)
しかし、美容師ならステキなスタイルを作りたいと思うし、沢山の人に認められる美容師になりたいと思う人も多いんじゃないでしょうか?
最終的な目標は人それぞれかもしれませんが、「素敵なスタイルを作りたい」という目標は無意識でもあるんじゃないでしょうか。
社長は口数は少ない方ですが、「人に認められる素敵なヘアスタイルを作っている」という無言でも大きな背中を見せているんじゃないかと考えます。
さらにヘアメイクを辞め、サロンワークを中心にするようになってからは、同じフロアで働いている緊張感や存在感といった事や、一つ一つの言葉がスタッフのモチベーションにも繋がるようなフレーズもある。そういった事が将来の美容師像の目標になっているんじゃないかと考えます。
https://twitter.com/TAKAGI_YUUSUKE
●代表加藤廣人の人間分析力
加藤は撮影やヘアメイクは現在はしていませんが、「人を見る力」に関してずば抜けています。
そして、その人が「どう考えているのか?」「どうしたいのか?」「何を悩んでいるのか?」鋭く感じ取り、解決策や答えではなく「ヒント」をいつも与える。
最初は意味不明でもその「ヒント」から考え出してきた「答え」は一つの成長に繋がります。
店が穏やかに悪い空気が流れない様に常にスタッフに気を配りつつ、「問題」は誰もが責任を被る立場にならないように解決する。
お客様にとってマイナスになるミスや問題は「厳しく改善していく」そういうスタンス。
店では「一番厳しい存在」でありながら「一番慕われる存在」の人です。
人と人との繋がりを一番大切にしている事が、同じ店で働いているとよく解ります。
https://twitter.com/Hiroto0820
他にも魅力的な人は沢山いますが、今回のテーマでいうと加藤の力は大きいと思います。
●「有名店だから辞めない」は違う
働ている人間が有名店と言っているのも気持ち悪いですが・・・そんな風に思われる方もいるかもしれません。
「隣の芝は青く見える」と言うように、今の環境に慣れると他が良く見えてくるのは人間誰も一緒です。
もちろん「ブランド力」を感じる時も多々あると思いますが、それ以上に自分を取り巻く環境に意識が行ってしまうのは至極当然の事です。
人という面で魅力的な人物が揃っている
お給料もそんなに沢山もらえません。
労働時間(レッスン時間)も長いです。
でも、「人を惹きつける人」がいる。
それだけなんじゃないでしょうか?
僕が今まで多くの美容師と新卒生を見て来て感じた事でした。
お店はお客様には「アットホーム」ですが、スタッフには「厳しい」です。
涙を飲むことだってあるし、つらい事も沢山ある。
なんとなく「美容師やっていれる」環境じゃない。
けど、何かしらの魅力があるんでしょうね。
人に無関心になってないですか?
美容師は人と人とのお仕事。
お客様にずっと通って頂くのもその人の魅力。
スタッフがずっと働き続けるのもその人の魅力。
って事なんだろうなと考えてます。
今後会社もどんどん大きくなり店も増えて、人も増えてきた時。
魅力ある人物でいれるように邁進したいですね。
自分自身ももっともっと人から信頼される魅力を持てるように。
日々感じるものが人に伝えられるように。
そして、人に無関心にならないように。
魅力ある沢山のスタッフから日々吸収していきたいと思います。
いつも書いてますが、これは個人の考え方で会社の総意ではないので。