髪(毛髪)に関する知識・情報

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髪(毛髪)の知識・情報

美容師は知っている髪に関する基本情報。

 

髪の構造

髪は3層構造から成っています。

一番外側からキューティクル、コルテックス、メデュラの順番になっています。

 

★キューティクル

・髪の表面をうろこ状に重なって、髪を包んでいます。

・毛髪内部を守る役割と、毛髪内部の物質を流出させない役割をもっています。

・髪質によるが4~6枚重なっています。

・ツヤや手触りや硬さなどに影響します。

・キューティクルが剥がれる事によってダメージが進行して行きます。

 

★コルテックス

・毛髪の90%を占めています。

・フィブリル、マトリックス、メラニン色素を含んでいます。

・引っ張られる縦方向の力には強いが、横方向の力には弱い(枝毛)

・毛髪の水分量、硬さ、髪色に影響します。

 

★メデュラ

・髪の中心に存在します。

・細い髪には存在しない場合があります。

・役割は解明されていません。

 

 

髪の成分

髪のほとんどはタンパク質から出来ています。

主な成分の割合は・・・

タンパク質(80~85%)

脂質(1~6%)

メラニン色素(4.5%)

水分(11~13%)

となっています。

 

★フィブリル

・コルテックス内部にある繊維状の束

・メラニン色素を含んでいる

髪の弾力に影響する

 

★マトリックス(間充物質)

・コルテックス内部にあり、フィブリル同士を繋ぎ止める役目

・メラニン色素を含んでいる

・水分を保持し髪の柔軟さに影響する

・パーマの当たり具合に影響する

・カラーリングの染まり具合、色持ちに影響する

 

★CMC(細胞膜複合体)

・キューティクルの間からコルテックス内部まで存在する

・皮質細胞(フィブリル・マトリックス)を囲んでいる

・キューティクル同士、コルテックス同士を接着させる

・水、カラー剤、パーマ剤などの通り道

・間充物質の流出を防ぐ

・水分を保ち、髪に柔軟性を与える

 

★メラニン色素

・メラニン色素は2種類あり、この量で髪色が決まる

・「ユウメラニン」黒~褐色

・「フェオメラニン」黄~赤色

・トーンアッブ(ブリーチ)していくとユウメラニンが破壊されフェオメラニンの黄色味が出てくる

・有害な紫外線(UV)を吸収し体を守る

・紫外線により、乾燥、強度の低下、キューティクルのダメージ、メラニン色素の破壊、艶を失う

・髪を作る毛母細胞内に存在するメラノサイト(色素細胞)で作られる

 

 

髪の結合

髪には4つの結合があります。

ブローでくせが伸びるのも、パーマでカールがあたるのも、

この結合を利用しています。

結合が切れやすい順番に説明していきます。

 

★水素結合

・髪がウエットになると結合が切れ、ドライにすると繋がる。

・水分が蒸発して乾いた時点での髪の状態で再結合します。

・ブローする時や寝癖に関係します。
ブローで髪にカールをつけたりストレートにしたりするのは、

水素結合を利用してドライヤーで水分が飛ぶ瞬間に

ブラシなどで形を作る事によって、スタイルを作っていきます。

寝癖は、濡れたまま寝てしまったり、睡眠中にかく汗で髪が湿った状態から

自然に乾燥する事によって寝癖がついてしまいます。

髪を乾かして寝るのは寝癖がつくのを防げます。

 

★イオン結合

・毛髪は弱酸性で安定した状態になる。

・アルカリ性に傾くと結合が切れ、酸性に傾くと繋がる。

・パーマやカラーリングに関係します。

・アルカリ性に傾くとキューティクルが膨潤し弱い状態になる。
パーマ剤、カラー剤などによりアルカリ性に傾いた毛髪は、

アルカリ性になりイオン結合が切れた状態になる。

薬剤を洗い流しても毛髪内部にアルカリ剤が残留しており、

1週間ほどはアルカリ性に傾いた状態でダメージを受けやすいので、

早めに弱酸性に戻す事がダメージを抑える事に繋がる。

海水や塩素の入ったプールもアルカリ性なので髪にはダメージになる。

 

★シスチン結合

・還元剤(1剤)で結合が切れ、酸化剤(2剤)で繋がる。

・シスチン結合が切れると髪が柔らかくなる(軟化)

・シスチン結合が切れている時にメルカプト臭という独特の臭いがする。

・パーマの技術に関係します。
パーマのウェーブはシスチン結合を利用して形成されます。

還元剤での過剰軟化や、酸化剤での結合が不十分だと、

間充物質の流出、キューティクルの剥離、強度低下、水分低下などで

ダメージの進行が激しくなる。

 

★ペプチド結合

・アミノ酸の基本的な結合で髪にとって一番大事なもの。

・パーマ、カラー、ブロー、紫外線などでの過度のダメージによって切れる。

・この結合は一度切れると2度ともとには戻らない。

 

 

ダメージの原因

生えたての髪は一番きれいです。

常にその生えたての状態でキープ出来れば毛先まで健康毛なんですが、

日常生活やサロンでの技術によってダメージを受けていきます。

主なダメージの原因とそれによってどういった症状になるのかをある程度把握出来れば、

サロンや家庭でのケアも自分の髪質に合ったものを選ぶ事が出来ます。

 

★カラーリングやパーマによるダメージ

・お薬(化学物質)によるダメージです(ケミカルダメージ)。

・アルカリ剤や還元剤によりキューティクルが膨潤し剥がれます。

・毛髪内部の間充物質が流出します。

・CMC の損傷(キューティクル同士の接着力が弱まり剥がれやすくなる)。

 

★紫外線によるダメージ

・肌と同じように日焼けをします。肌は再生しますが髪は再生しません。

・キューティクルの損傷、髪の乾燥、強度の低下。

・メラニン色素の消失による褪色。

 

★熱によるダメージ

・過度の熱によるタンパク変性。タンパク質が固まる。

・キューティクル、コルテックスが熱により硬くなる。

 

★物理的刺激

・シャンプー、ブラッシングなど髪への摩擦。

・カットによる毛先の断面からの毛髪内の物質の流出。

 

★その他

・海水、プール、食生活、ストレスetc…

 

 

髪の基礎知識

 

★髪の太さ

・0.05mm~0.15mm

・日本人の平均は0.08mm前後

・加齢と共に細くなる

 

★髪の本数

・10万本前後

・ひとつの毛穴から1~3本

 

★抜け毛

・1日に50~150本

・季節の変わり目(春秋)は抜けやすい

・女性はホルモンバランスの影響で妊娠中抜けにくく、出産後抜けやすい

 

★髪の伸びる速さ

・1日に0.3mm~0.5mm

・1ヵ月で1cm前後

 

★髪の強度

・健康毛で100g~150g

 

★髪の寿命(毛周期)

・男性 3~5年

・女性 4~7年

 

★髪の成分

・タンパク質(80~85%)

・水分(11~13%)

・脂質(1~6%)

・メラニン色素(4.5%)

 

★髪の構造

・3層構造

・キューティクル(毛小皮)

・コルテックス(毛皮質)

・メデュラ(毛髄質)

 

★pH

・4.5~5.5(弱酸性)

・酸性に強い

・アルカリ性に弱い

 

 

髪質チェック

髪質は人によって様々です。

髪質が違うと同じカラー剤でも同じパーマ剤でも仕上がりが変わって来ます。

カウンセリングの時に判断する基準がいくつかあります。

 

★直毛orくせ毛

・くせ毛はパーマがかかりやすい

・くせ毛はカラーが染まりやすい

 

★硬毛or軟毛

・軟毛はカラーが染まりやすい

・軟毛はダメージを受けやすい

・軟毛は乾燥しやすい

・硬毛はキューティクルが厚くしっかりしている

 

★太毛or細毛

・細毛はカラーが染まりやすい

・細毛はダメージを受けやすい

・太毛はキューティクルが厚くしっかりしている

 

★撥水毛or吸水毛

・吸水毛はパーマがかかりやすい

・吸水毛はカラーが染まりやすい

・吸水毛はダメージを受けやすい

・吸水毛は乾燥しやすい

・もとから吸水毛の場合と、ダメージによって吸水毛になる場合がある

 

 

これらの判断で適切な薬剤選定と施術を考えます。

吸水毛はサロンでの施術や日常生活でもダメージを受けやすいので注意が必要です。

 

 

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