シャンプーって色々ありすぎて、どれを使っていいか分かんないですよね。
市販の物がいいのか、美容室で販売している物がいいのか・・・
とりあえずはシャンプーに関する基本的な知識から、マニアックな知識までとりあえず読んでみましょう!
シャンプー剤の目的は汚れを取る事です。
お湯でしっかり流すだけでも汚れの70%ほどは取れますが、油性の汚れはお湯で流すだけではなかなか落ちません。
その汚れを落とすために洗浄成分(界面活性剤)を使います。
シャンプー剤に含まれている構成成分は・・・
- 洗浄成分 (界面活性剤、汚れを落とす)
- コンディショニング成分 (きしみをなくす、髪を保護する)
- 増粘剤 (粘度調節)
- 保湿成分 (毛髪保護剤、湿潤剤)
- 防腐剤 (腐敗防止、製品の安定化)
- 香料 (特徴づけ)
- その他 (金属封鎖剤、溶解補助剤、pH調整剤etc…)
シャンプー剤の半分は水で残りは洗浄成分。
その他の成分は1%前後しかありません。
配合する物の違いで、オーガニックシャンプーやノンシリコンシャンプーなど呼ばれます。
界面活性剤は以下の4種類に分類されます。
- アニオン界面活性剤(陰イオン系界面活性剤)
泡立ちが良く、洗浄力に優れる
- カチオン界面活性剤(陽イオン系界面活性剤)
毛髪表面を整えて、滑らかにする
- 両性界面活性剤
洗浄力や泡立ちはアニオン界面活性剤に比べて弱い 刺激が少なく髪や肌に優しい
- ノニオン界面活性剤(非イオン性界面活性剤)
油と水をなじませる作用(乳化)
洗浄成分にアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、コンディショニング成分にカチオン界面活性剤、乳化剤にノニオン界面活性剤が使われます。
シャンプー剤に使われる主な界面活性剤
—アニオン界面活性剤—
- ラウリル硫酸Na(高級アルコール系)
洗浄力が強く泡立ちもよい安価な界面活性剤。タンパク変性作用がある。
- ラウレス硫酸Na(高級アルコール系)
洗浄力が強く泡立ちもよい安価な界面活性剤。タンパク変性作用がある。ラウリル硫酸Naよりは刺激が少ない。
- オレフィン(C14-16)スルホン酸Na(α-オレフィン酸)
洗浄力が強く泡立ちもよい。タンパク変性作用がある。
- ココイルグルタミン酸Na・ラウロイルグルタミン酸Na(アミノ酸系、グルタミン酸系)
洗浄力がマイルドで泡立ちも控えめな高価な界面活性剤。皮膚、髪に対して低刺激でコンディショニング性が高い。
- ラウロイルメチルアラニンNa・ココイルメチルアラニンNa(アミノ酸系、アラニン系)
適度な洗浄力と泡立ちの高価な界面活性剤。低刺激で安全性が高い。
- ラウロイルサルコシンNa・ココイルサルコシンNa・ココイルグリシンNa(アミノ酸系、グリシン系)
洗浄力と泡立ちの良い界面活性剤。殺菌作用がある。
- ココイルメイチルタウリンNa・ラウロイルメチルタウリンNa(タウリン系)
適度な洗浄力と泡立ちの良い高価な界面活性剤。低刺激で安全性が高い。
- ココイル加水分解コラーゲンNa(たんぱく質由来系)
洗浄力と泡立ちは控えめな高価な界面活性剤。皮膚、髪に対して低刺激でコンディショニング性が高い。
- スルホコハク酸ラウレス2Na(スルホコハク酸系)
泡の持続力に優れている。他の界面活性剤と組み合わせて使われる。刺激は強くはない。
- オレイン酸Na・ヤシ油脂肪酸K(石鹸系、アルカリ石鹸系)
石鹸。洗浄力が高く、pHが高いために皮膚への刺激がある。ずっと使うと髪が硬くなってくる。
- ラウレス酢酸Na(石鹸系、酸性石鹸系)
弱酸性の石鹸。洗浄力は高いが刺激は低め。
- PEG-3ヤシ油脂肪酸アミドMEA硫酸Na(アミドエーテル硫酸系)
洗浄力と泡立ちが良い。刺激は低め。
—両性界面活性剤—
- ラウラミドプロピルベタイン・コカミドプロピルベタイン(ベタイン系、アミド型)
泡立ちがよく低刺激性。ベビーシャンプーなどに使われている。
- ココアンホ酢酸Na(ベタイン系、イミダゾリニウム型)
特に目への刺激が低い界面活性剤。ベビーシャンプーなどに使われている。
- ラウリミノジプロピオン酸Na(アミノ酸系)
両性界面活性剤とアミノ酸系の両方の良い特徴を持つ界面活性剤。目、皮膚への刺激が少ない。
コンディショニング成分
コンディショニング成分の主な役割は、髪のきしみをなくす、まとまりを良くする、サラサラにする、保護する、などです。
成分は油性成分、脂質成分、シリコン、高分子ポリマーなど沢山あります。
—油性成分—
- オリーブ油・ホホバ油・アボガド油・ツバキ油・スクワラン・ミリスチン酸イソプロピル
- イソステアリルアルコール・オレイルアルコール・トリオクタノイン・etc…
油性成分を補い、しっとりとなめらかにするエモリエント効果。艶を出す。
—脂質成分—
- 卵黄油・ラノリン・ダイズステロール・コレステロール・セラミド3・etc…
脂質成分(毛髪CMC成分)を補い、保湿性を高めるエモリエント効果。
—シリコン—
- ジメチコン・ジメチコノール・シクロメチコン・etc…
髪にすべり感、滑らかさを与える。毛髪保護効果。 保護効果はありますが、補修効果はありません。
—高分子ポリマー—
- ポリクオタニウム(数種類あります)・キトサン
毛髪、皮膚に被膜を作り保護する。保湿効果が高い。
ここまで、シャンプー剤に主に含まれている成分を説明してきました。
では、実際にはどう見ていけば良いか。
↑の写真は今使っているシャンプー。
イオ リラックスメントのボトルの裏側です。
「成分」と書かれている次から配合物になります。
表記順は配合量が多いものからと決められています。
とりあえず書き出すと・・・
水、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドメチルMEA、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、グリチルリチン酸2K、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-47、クエン酸、クエン酸Na、エチドロン酸、BG、ポリクオタニウム-64、安息香酸Na、メチルイソチアゾリノン、香料
見てると目がチカチカするので多い順番に分けてみます。
- 水
- ココイルメチルタウリンNa・ラウロイルメチルアラニンNa (アミノ酸系の洗浄成分)
- コカミドメチルMEA (増粘剤、起泡剤)
- コカミドプロピルベタイン・ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン (ベタイン系の洗浄成分)
- グリチルリチン酸2K (抗炎症、抗アレルギー作用)
- ポリクオタニウム-10・ポリクオタニウム-47 (コンディショニング成分)
- クエン酸・クエン酸Na (pH調整剤)
- エチドロン酸 (金属封鎖剤、製品安定剤、変色防止剤)
- BG (保湿成分)
- ポリクオタニウム-64 (毛髪保護、保湿)
- 安息香酸Na・メチルイソチアゾリノン (防腐剤、抗菌剤)
- 香料 (香り付け)
これだけの成分が入っていました。
このシャンプーの特徴は・・・
・アミノ酸系のシャンプー剤で髪にマイルドな洗浄力
ダメージ毛にやさしく、カラーの色持ちが良い
・シリコンを使わないノンシリコンシャンプー
高分子ポリマーがコンディショニング剤として使われている
・pH調整剤が含まれている弱酸性シャンプー
カラー後のアルカリ性に傾いた髪を弱酸性に戻す効果がある
・リピジュア(ポリクオタニウム-64)が含まれていて、保湿効果が高い
成分のほとんどは水と洗浄成分なので、後半の表記成分の配合量は微量です。
でも、なかなか髪に良さそうなシャンプー剤ですね!
ここまでマニアックに覚えていく必要はないけど、頭の片隅に覚えておくだけでもシャンプーを選ぶときの参考になるかもしれません。